森林文化学習会 12月

R07年度学習会 ~八ヶ岳山麓で最盛期を迎えた縄文文化を知ろう~  [森林観察学習部会]

2025.12.4 12.22

後半10月からは、縄文文化に続いて、弥生文化について学習します。

<今年度の使用テキスト>
「弥生時代ガイドブック」安藤広道著 新泉社 発行

12月の学習
〇12月4日 ゆいわーく茅野 101会議室
9.人びとのすがたと人口…………………吉田
10.集落間 地域間の関係の進展………吉田
11.祭祀、儀礼の発達……………………中野
〇12月18日 ゆいわーく茅野 101会議室
12.集団間の争い…………………………池田
13.墓からわかること……………………池田
14.弥生文化の世界観を探る……………渡邊

1月の学習予定
〇1月8日 ゆいわーく茅野 101会議室
15.弥生文化をとりまく世界………………野崎
16.石製利器から鉄製利器へ………………野崎
17.祭祀の変質………………………………野崎
〇1月22日 ゆいわーく茅野 101会議室
18.墳丘墓の展開……………………………矢崎
19.記録された弥生文化……………………矢崎
20.前方後円墳の成立………………………矢崎
21.超大型集落の終焉と弥生社会の特質…井村j

弥生時代ガイドブック                森林観察学習部会 渡邊 勲さんの資料より抜粋

14.弥生文化の世界観を探る
世界観とは
世界中のどんな文化にも、自分たちをとりまく様々な事象を理解するための、独自の観念の体系がある。これを世界観という。
世界観は、そのなかで生きる人々の思考や行為を方向付けると共に、思考や行為を通じて維持されたり、変化していったりする。
人々の行為を理解しようとするのであれば、当然その行為の背景にある世界観を考慮にいれなければならない。
世界観を読み解く資料
弥生文化に限っては、幸運なことに世界観の一端を垣間見ることのできる資料が、少なからず存在している。
更に、人々の生活や社会が大きく変化していたこともあって、世界観を推測するだけでなく、生活や社会の変化との関係についても考察できるという、良い条件がそろっている。
注目されるのは、青銅器や土器などに描かれた絵画である。
銅鐸の絵画は、漫画のように複数の場面によって構成された例が多く、全体の意味を推測するのに適した資料である。
銅鐸から世界観を読み解く
銅鐸に描かれた絵画のモチーフの選択とモチーフ間の関係には、厳密な約束事がある。
「自然・大地と結びついた、メスジカ・女性」と
「人間世界・水と結びついた水辺の動物・建物・男性」両者の対立関係と後者の前者にたいする優位関係
この関係は、銅鐸以外の青銅器や土器にも認められる。
分布は、九州から関東までの広範囲に広がって、同じ場面を描いたと考えられる。
絵画の背景に、何らかの共通した物語があったとみて間違いない。
共通点は、その物語の主題が、水と親和的な人間(男性)が自然の一部や大地に打ち勝つことにある。
古事記の神代記からも同様の主題を読みとることができる。
風土記にも、絵画と関係するように見える物語がある。
これらの絵画の背景にあった物語は、後の日本神話につながる弥生文化の「神話」だった、可能性がある。

さて、皆さん、銅鐸の絵画をじっくりと眺め、弥生人の心の内を読み解いてみませんか?

(更新日 : 2025年12月27日)