森林文化学習会 9月

R06年度学習会 ~身近な自然を見直しましょう~   [森林観察学習部会]

2024.9.12 9.26

今年度の教本は、諏訪地域の自然を確認しようと、諏訪教育会が小学生向けに作成した本を採用しました。
<今年度の使用テキスト>
「諏訪の自然観察ハンドブック」1995年 諏訪教育会 編纂発行

9月の学習項目は以下の通りでした。

〇9月12日
第5章 諏訪にはどんな動物がどのように生活しているでしょうか
5.1諏訪にはどんな哺乳動物がいるのでしょうか…………………………………………………本村
5.2諏訪にはどんな鳥たちがいるのでしょうか……………………………………………………吉田

〇9月26日
5.3諏訪ではどこにどんな魚がすんでいるのでしょうか…………………………………………吉江
5.4諏訪にはどんな両生類がいるのでしょうか……………………………………………………吉江
5.5諏訪にはどんな貝がすんでいるのでしょうか…………………………………………………井村j
5.6諏訪にはどんな昆虫がいるのでしょうか………………………………………………………井村j

10月の学習予定
後半のテキストは、以下に決まりました。
「植物の形には意味がある」園池公毅著 角川ソフィア文庫発行
〇10月10日 休み
〇10月24日 第一章 葉はなぜ平たいのか…………………………………………井村j、矢崎

毎月このコーナーでは、学習した内容から、興味深い話題を抜粋して掲載していきます。

諏訪の自然観察ハンドブック

第5章 諏訪にはどんな動物がどのような生活をしているでしょうか 本村光子(会員)の資料より抜粋

 Ī諏訪にはどんな哺乳動物がいるのでしょうか
1.哺乳動物はどうやって観察・調査すればよいのでしょうか
哺乳動物の多くは夜行性⇒直接観察できなくても足跡、食べ後、糞・尿などから知る。
(1)動物の生活の様子を知る手がかり
①足跡 図1
②食べあと
③糞  図2
④その他 生活のあと
クマ棚、皮はぎのあと、爪あと、イノシシのぬた場、立木への身体のこすりつけ、きばこすりあと、キツネの尿かけあと、巣穴、けもの道

(2)直接観察法
新しい生活跡を見つけたら、動物がくるのを待つ。
カモシカ、鹿などは見通しのよい反対斜面からムササビ、アナグマ等夜行性動物は夕方~夜に巣穴近くで
ネズミなどの小動物はわなで生け捕りにする。

図3

2.諏訪ではどんな哺乳動物に会えるのでしょうか
(1)比較的見やすい動物たち
①ニホンジカ:早朝と夕方。木が大きくてまばら、下草が豊かなところ、など
②生きた化石カモシカ:ウシ科。1頭または母子で行動。縄張り意識が強い
③残飯も食べるキツネ:ノウサギ、ネズミが主食
④ため糞がポイントのタヌキ:日没後に行動。雑食性
⑤森の忍者ムササビ:夜、大木の林立する寺社なで。空を滑空。コロコロした糞、食べ跡
⑥森のかわいい住人ホンドリス:雑木林から亜高山帯まで。木の上に球状の巣。
⑦足跡がポイントのノウサギ:生息数が最も多い。夜を中心に活動。食べ跡が鋭い。図3
⑧超音波の使い手、コウモリ:昼間、洞窟や木の割れ目で逆さまになり集団で寝る。冬は冬眠。
ヤマコウモリ、キクガシラコウモリ、コキクガシラコウモリ、ウサギコウモリ、モモジロコウモリ

(2)なかなか見られない動物たち
①ツキノワグマ:諏訪では最大の動物。主食はドングリやクリ。人里近くの畑などに来る。クマ棚
②ぬた場が大好き、イノシシ:集団生活。逃げるコースが決まっている。夜行性。泥に体をこすりつける「ぬた場」、植物の根や芋を食べる。掘り起こした跡「馬耕」
③人に一番近いのに、なかなか見られないニホンザ  ル:リーダーの雄ザルを中心に雌と子供、周りを固める若い雄で群を作る。絶えず食べ物を求めて山の中を一定のルートで移動。山桜の花、木々の若芽、ヤマブドウ、イチゴ類、クリの実、積雪期は人家近くで採食。

(3)その他の小型哺乳動物たち
①ネズミのなかまの調べ方
〇食べられるものは何でも食べる雑食性のなかま
〇植物のタネや昆虫を食べるなかま
〇植物しか食べないなかま
3種類を同時に調べたい時:ワナに油揚げとジャガイモを餌として取り付ける。
・スナップトラップ:捕殺 解剖して胃の中味から食べ物の違いを見る
・シャーマントラップ:生きたまま捕獲
仕掛ける場所の違いからネズミの種類の違いが分かる。
②モグラ(食虫類)の調べ方
小型のモグラ、トガリネズミはネズミ用のワナで捕獲できるが、大型のモグラは土の中の坑道を見つけ、その途中に穴を掘ってモグラが空き缶の中に落ちるようにする。

図1,図2,図3 は「諏訪の自然観察ハンドブック」諏訪教育会発行 より

(更新日 : 2024年09月29日)