森林文化学習会 7月

R06年度学習会 ~身近な自然を見直しましょう~   [森林観察学習部会]

2024.7.11 7.25

今年度の教本は、諏訪地域の自然を確認しようと、諏訪教育会が小学生向けに作成した本を採用しました。
<今年度の使用テキスト>
「諏訪の自然観察ハンドブック」1995年 諏訪教育会 編纂発行

7月の学習項目は以下の通りでした。

〇7月11日
2.2諏訪地方の季節による天気の特徴はどうだろうか(続き)…………………………………本村
2.3諏訪の気象と人びとの生活はどうつながっているのでしょうか……………………………吉田

〇7月25日
第3章 諏訪地方の水質や水の中の生物にはどんな特徴があるでしょうか。
3.1水質を調べるにはどんな調べ方がありますか…………………………………………………吉江
3.2川を調べるにはどんな方法がありますか………………………………………………………中野
3.3湖や池の調査をするにはどんな調べ方がありますか…………………………………………渡邊

8月の学習予定
〇8月8日
3.4湧水や温泉の調査をするのはどんな調べ方がありますか……………………………………井村j
第4章 諏訪にはどんな植物がそのように生育しているのでしょうか
4.1植物の生活の様子をしらべてみましょう………………………………………………………矢崎

〇8月22日
4.2植物のつくりの特徴や名前を調べてみよう……………………………………………………黒田
4.3私達が住んでいる諏訪地方の植物を調べてみよう……………………………………………井村e

毎月このコーナーでは、学習した内容から、興味深い話題を抜粋して掲載していきます。

諏訪の自然観察ハンドブック
第3章 Ⅲ 湖や池の調査をするにはどんな調べ方がありますか   渡邊勲(会員) の資料より抜粋

1.どんなことを調べたらよいのでしょうか
湖や池は、河川などと違い水が止まっていることが特徴です。ここには、河川などから水に溶けた様々な成分が集まり、多くの生物が生活しています。これらの成分や微生物、または湖の形・環境などによって、透明度や水質などが左右されます。
諏訪湖は大陸プレートのせめぎ合いの中で、中央構造線が形成され、フォッサマグナとのぶつかり合いで複雑な地形となり、自然の恵み豊かな土地として、旧石器時代以来、人々が住み着き、高度の文化を達成して来ましたが、同時に自然生態系を崩してしまうという複雑な歴史を持っています。
(1)湖や池の水質を調べる
①化学的な調査の観点 ②生物的な調査の観点
(2)湖や池の特徴を調べる
①深さによる水温分布 ②水温の等温分布 ③水深分布と湖盆形態

2.諏訪湖の特徴と水質はどうなっていますか
(1)諏訪湖の特徴
標高759m(現在) 最大深度7.6m 平均4m 平均滞留時間38.8日
①諏訪湖の形や水深
②諏訪湖の水の集ま地域
集水域513㎞² 諏訪湖の約39倍 養川堰の水がすべて流入

(2)諏訪湖の水質とプランクトン
①諏訪湖の水質の変化
透明度 数値が悪化している。
pH8~9とアルカリ性 増大
②アオコの正体
アオコは植物プランクトンの一種で藍藻類というものの仲間です。
ネットで検索すると、
夏の風の穏やかなよく晴れた日、池や湖沼の水 面が緑色の粉をまいたようになる。この現象をアオコという。水中の植物プランクトンが大量に増殖したもの。 アオコをつくるのは、「ラ ン藻」あるいは「シアノバクテリア」と呼ばれる 一群です。
③“すす水” ③~⑥別資料にて席上説明
④諏訪湖の主なプランクトン
⑤諏訪湖のウンカ
⑥諏訪湖の汚れと浄化について

(3)諏訪湖のロマン
①曽根遺跡 杭上生活者の遺構なのか
②諏訪湖の水位増による沈没なのか
③江戸期以降の治水対策

3.諏訪地方の湖や池や湿原の様子はどうなっていますか
(1)pHと電気伝導度
pHとは
純粋な水は水分子のまま安定しているわけではなく、常に下記のような別れ(「電離」)と出会い(「反応」)を繰り返しています。このとき生じているH+の濃度が高いか低いかを示す尺度がpHです。水中のpHは溶けている物質や温度に応じて様々な値をとります。
H₂O=H+(陽イオン) + OH⁻(陰イオン)
水素イオン濃度   酸性   アルカリ性
pH1    濃い      強い    弱い
pH7   中間      中間    中間
pH14   薄い      弱い    強い

伝導度
水の中の不純物が多いほど、電気伝導度は高くなる。水が純粋なH₂Oになればなるほどイオンは少なくなり、電気伝導率は小さくなります。一般的な水道水・市水の電気伝導率は100μS/cm以上、純水は1μS/cm以下です。

(更新日 : 2024年08月01日)