森林文化学習会 6月

R06年度学習会 ~身近な自然を見直しましょう~   [森林観察学習部会]

2024.6.13 6.20

今年度の教本は、諏訪地域の自然を確認しようと、諏訪教育会が小学生向けに作成した本を採用しました。
<今年度の使用テキスト>
「諏訪の自然観察ハンドブック」1995年 諏訪教育会 編纂発行

6月の学習項目は以下の通りでした。

〇6月13日
2.1諏訪の気象にはどんな特徴があるだろうか…………………………………………………南波
2.2諏訪地方の季節による天気の特徴はどうだろうか…………………………………………井村e

〇6月20日
1.2諏訪の大地はどのようになっているんですか(続き)……………………………………渡邊
2.1諏訪の気象にはどんな特徴があるだろうか(続き)………………………………………黒田

7月の学習予定
〇7月11日
2.2諏訪地方の季節による天気の特徴はどうだろうか(続き)………………………………本村
2.3諏訪の気象と人びとの生活はどうつながっているのでしょうか…………………………吉田

〇7月25日
第3章諏訪地方の水質や水の中の生物にはどんな特徴があるのでしょうか。
3.1水質を調べるにはどんな調べ方がありますか………………………………………………吉江
3.2川を調べるにはどんな方法がありますか……………………………………………………中野

毎月このコーナーでは、学習した内容から、興味深い話題を抜粋して掲載していきます。

諏訪の自然観察ハンドブック
Ⅱ 諏訪地方の季節による天気の特徴はどうだろうか   井村悦子(会員) の資料より抜粋

1.春の天気はどんな特徴がありますか
諏訪地方は、本州のほぼ中心で、海から遠く、標高も高いので内陸性の気候の特徴を持つ。
冬の最低気温は-10℃以下、夏の日中の最高気温は30℃を越えることもある。年間の気温差は50℃にもなる。
(1)春一番の吹く頃
2月中旬から、冬と違う風が観察される。
立春を過ぎて初めて吹く強い風は春一番というが、
諏訪地方ではこの後もなかなか寒さが和らがない。
(2)花の開花や芽吹きの時期
3月 オオイヌノフグリ、タンポポ、ホトケノザなどが咲き始める。
有賀峠のザゼンソウ祭りは3月下旬~4月上旬
4月 ソメイヨシノの開花
「探求 諏訪の自然」では、標高100mで開花日が2日ほど遅れることが分かったと言っている。
寒い日に氷が張っても、日中20℃になることもあり寒暖差が大きい。雨と晴れが交互に来る。
(3)残雪の見られる時期
4月になると雪に覆われていた山肌が徐々に表れるようになる。毎年、同じ部分が解け残り、何かの模様に見えることがある。
白馬岳の代馬、常念岳の常念坊 が有名。
茅野市の湯川地区では
蓼科山の「雪が一つ目になったら豆をまけ」という言い伝えがある。
(4)晩霜(おそじも)の時期
霜柱も一日の最低気温が0℃以上になるとみられなくなるが、5月頃まで霜が見られることがある。晩霜の時期は、種まきの時期と重なり、発芽した芽が凍ったり、根を浮き上がらせる被害が出る。
霜の出方には差がある。→冷たい空気の通り道には霜ができやすく、「霜道」と呼ばれる。
この時期になると、日中は気温が上がり水田は田おこしが始まる。

2.夏の天気はどんな特徴がありますか
(1)諏訪の梅雨時
梅雨前線は長野県では南部が影響を受け、諏訪は北信の長野に比べて雨が多い。
(2)夏の雷と雷雨の動き
積乱雲が見られる夏の午後、夕立に伴って雷が発生する。この時風が強まり気温も急に下がる。
雷雲の動きを示す諏訪地方の言い伝えがある。
〇湖南の夕立は湖北にこない
〇守屋山の夕立は湖をわたらない
〇入笠夕立は西へ、八ヶ岳夕立は北へ、蓼科夕立は中村地区へ
中村:メルヘン街道JAピアみどり付近とビーナスライン蓼科自由農園付近の間あたり
(3)虹のでき方
雨粒が虹を作り出すプリズムの役割りをし、外(高い方)から、赤、橙、黄、緑、青、藍、菫の順で、これを主虹(しゅごう)といい、順番が逆のものを副虹(ふくごう)という。
(4)逃げ水
暑い日のアスファルトの上には空気に温度差が生まれる。光は暖かい空気と冷たい空気の境目で曲がる性質があるため、空の光が上向きに曲がる。
遠くにある空の光が道路の近くで上向きに曲がると、目に届いてなかった空の光が人の目に入る。
その結果、曲がった部分で道路に空が映り、水が浮いたように見える。

(出展)https://blog.goo.ne.jp/raishou0213/e/97cdd117b76275940953e42d6f7f8fd1

(5)高山と平地の気象の違い
①気温
100m登るごとに普通0.7℃~1.0℃低くなる。
高山は一日の気温の変化が少ない。
②湿度
高山は、雲や霧に包まれていない限り、湿度は低く乾いているが、霧に包まれると極端に湿度が上がる。高山の湿度は変化が激しい。
高山では雲の位置が湿度を変化させる原因になっている。
③降水量
高山では、気温が低く、風が山にぶつかるため、平地より早く雨が降り出す。
④風
霧ヶ峰は諏訪湖に比べて風速が3倍にもなる。
高山は決まった方向から風が吹くのでこれを利用してハンググラーダーやグライダーなどのスポーツが霧ヶ峰や車山などで盛んに行われている。
(参考)霧ヶ峰のグライダーは昭和7年藤原咲平博士(東大教授)の提唱で、霧ヶ峰グライダー研究会が発足。人間が初めて空を飛んでから28年後であり、これが日本グライダーの発祥であった。会員はおおむね都会の大学生で、高雅な純スポーツとして発展することになった。

(更新日 : 2024年06月21日)