森林文化学習会 5月

R06年度学習会 ~身近な自然を見直しましょう~   [森林観察学習部会]

2024.5.9 5.23

5月9日から、今年度の学習会を開始しました。
初日は、昨年の残りをやり、その後、次回以降の担当決めを行いました。
次回からの教本は、諏訪地域の自然を確認しようと、諏訪教育会が小学生向けに作成した本を採用しました。
<今年度の使用テキスト>「諏訪の自然観察ハンドブック」1995年 諏訪教育会 編纂発行。

5月の学習項目は以下の通りでした。
樹木たちのしられざる生活
〇5月9日 場所 当会事務所
P225~233………………………………井村e
災害/新参者/森の空気は健康?
P253~88…………………………………井村j
森はどうして緑色?/はずれた鎖/有機林業?/謝辞/訳者あとがき

〇5月23日
諏訪の自然観察ハンドブック
1.1諏訪の大地をどのようにしらべたらようでしょうか(地学)………………………矢崎
1.2諏訪の大地はどのようになっているんですか…………………………………………井村j

6月の学習予定
〇6月13日
1.2諏訪の大地はどのようになっているんですか(続き)………………………………渡邊
2.1諏訪の気象にはどんな特徴があるだろうか……………………………………………南波

〇6月20日
2.1諏訪の気象にはどんな特徴があるだろうか(続き)…………………………………黒田
2.2諏訪地方の季節による天気の特徴はどうだろうか……………………………………井村e

毎月このコーナーでは、学習した内容から、興味深い話題を抜粋して掲載していきます。

諏訪の自然観察ハンドブック
Ⅱ 諏訪の大地はどのようになっているんですか?  井村淳一(会員) の資料より抜粋

1.諏訪にはどんな岩石や鉱物がありますか?

①天竜川岸の粘板岩:
海または湖に堆積した泥岩が圧密されてできた堆積岩で広域変成されてできた。
②神宮寺の玄武岩:
今は玄武岩ではなく安山岩であることがわかった。
③富士見の輝緑凝灰岩:
古い時代の玄武岩や塩基性の火山岩や凝灰岩が、弱い変成を受けたもの。輝緑凝灰岩という名は今は使われず緑色岩という名が使われる。玄武岩や玄武岩質火砕岩が比較的低温の変成作用を受けたもの。
④砥石に使われた砂岩層:
下諏訪 砥川の辺りに見られる。海又は湖に堆積した砂の堆積岩
⑤和田峠の黒曜石:
二酸化ケイ素を多く含む流紋岩質の溶岩が特殊な条件で急冷されてできた岩石。和田峠の黒曜石は凡そ100万年前。
⑥福沢山の鉄平石:
2400万年前の八ヶ岳のマグマによって産出された輝石安山岩。地下深部のマグマが地表近くまで上昇して冷えて固まる際に強い圧力がかかり緻密な板状節理が出来上がった。
⑦普門寺の花崗岩:
永明寺山一帯、砥川流域、横川(岡谷)上川流域の木舟、大沢付近に分布している。石英閃緑岩、花崗閃緑岩で構成されており、第三紀中新生中期(1,500 万年前)に貫入したものと考えられる。(フォッサマグナ側)この内、吉田山、永明寺山の岩体は、もっとも広く分布し、南北5Km、東西4Kmの広さをもつ。なお近くにある、小泉山、大泉山は半探成岩の揮緑岩を主体に構成されているが、この岩体は、吉田山などを構成する、石英閃緑岩、花崗閃緑岩からなる探成岩類の周縁部である。岩石は、石英、斜長石、黒雲母、単斜輝石、角閃石などの鉱物で構成されているが風化がひどくボロボロしている。

2.諏訪の地質はどうなっていますか
1)諏訪の地質
西側の山:
2億年程前の古生代や中生代 にできた粘板岩、砂岩、チャート、ホルンフェス、石灰岩、片岩、蛇紋岩。天竜川より北の一帯にある岩石が一番古い。
中間の守屋山周辺:
2000万年程前に第3期にできた岩石が見られ、化石の宝庫
東側の山:
百数十万年前以降の火山が連なっており、高ボッチ、塩嶺が最も古く、南へ続く和田峠、霧ヶ峰、八子が峰、八ヶ岳とだんだん新しくなる。
盆地中央の低地:
最も新しく、現在も地層がつくられている。

2)岩石に出会える場所
①横河川:岡谷市東部
第3紀末~第4紀 塩嶺類層の安山岩、凝灰角礫岩
第3紀中新世の海底火山活動でできた緑色凝灰岩、  数億年前の海底で作られ変成を受けた蛇紋岩、片岩、結晶片岩、砂岩、粘板岩
②砥沢川:
下諏訪町から和田峠にかけ横河川の緑色凝灰岩より少し新しい。
石英閃緑岩、礫岩、砂岩、泥岩、凝灰岩、凝灰角礫岩
③日影入林道:守屋山の西側
フォッサマグナの海の頃に貯まった地層が見られる。
④釜無川:
恐竜が栄えていた中生代の岩石が見られる。

(更新日 : 2024年05月28日)