応急手当講習会(会員)

救急バック

2024.3.3
会員対象の応急手当講習会を開催しました。
もし作業中に仲間が倒れたら! もしイベント参加者が怪我をしたら!そんな時に適切な対応ができるよう、事務局で講習会を企画しました。
講習は、消防署で実施している救命入門コースの講義・訓練に加え、当会の活動時に起こりうる事象に対して私たちができる手当についても指導して頂きました。
当日は15人の会員が参加し、講師の茅野消防署北部分署の赤羽氏により、実践練習や生体観察も交え、非常にわかりやすい講義をして頂きました。当会で起こりうる事象を想定しながら参加者からも活発に質問を出して頂きました。
また当会の救急セットが充実していると講師に言って頂き、処置方法についてもみんなで共有できたので、有意義な時間になったと思います。事態が発生したらどうすればいいのかという漠然とした不安が、講義によって少しでも個々の自信につながり、いざというときに協力して対処できることを願います。
以下に対処方法について会員内で共有できたらと思います。

【倒れた人を発見したとき】
1.まず、近づいていいか、上から下まで周りの安全を確認する。
2.呼びかけながら肩を優しくたたく。
3.みぞおちのあたりの呼吸数を確認する。
4.できるだけ多くの人を集め、具体的に役割を依頼する。
(119番への通報者、AEDがあればそれを持ってくる人、など)
5.傷病者を安全なところに動かす。
特に首に注意して、可能な範囲で安静に動かす。
6.胸骨圧迫を始める。圧迫30回、人工呼吸2回をセットとし、それを繰り返す。胸骨圧迫だけでもいい。支援者が大勢いれば、約2分ごとで交代する。

【呼吸の確認】
みぞおちの呼吸の状況を確認する。
・正常なときは、10秒間に3~4回
・異常なとき(早い、口だけ動かしている、みぞおちが動いていない、など)は、すぐに胸骨圧迫を始める必要がある

【胸骨圧迫】
・乳頭と鼻筋の延長線が交わる部分を押す。
・利き手を下に、手のひらの付け根部分で押せるよう両手を組む。
・肘を伸ばし、二等辺三角形になるような姿勢で真上から垂直に体重を
かける。
・1分間に100~120回のテンポで、約5cm沈むように絶え間なく
圧迫する。

【AEDの使用】
1.蓋を開ける。(※電源を入れるタイプもある。)
2.音声が流れてくるので、それに従う。
3.AEDの説明書を見ながら電極パッドを貼る。傷病者に手術等の傷があれば、それを避けて貼る。
※電極パッドは衣類の上からでは測定できないため、傷病者に声をかけた上で肌に貼る。
4.AEDが「離れて」というまでは胸骨圧迫を続ける。
※電極パッドを貼ると、AEDが心電図を測り始める。AEDが傷病者の状況を判断し、電気ショックを与えないケースもある。
5.電気ショックのあとやショック不要とのメッセージがあったら、ひたすら胸骨圧迫を続ける。

【首を動かさない工夫】
・枝や板、毛布などでタンカのようなものを作り、おでこをテーピングや養生テープ等で固定する。

【119番通報】
・昔は近くの消防署に連絡した方が救急車が早く来るというケースもあったかもしれないが、今は岡谷の司令室に統一されているので、とにかく119番に通報する。
・途中で途切れた場合は、最初から説明しなければならないこともあるので、携帯の電波が安定しているところで連絡できる方がいい(※日頃から携帯の電波状況を把握)。
・聞かれることは、1)火事か救急か、2)場所(住所不明の場合は、目印になる建物などを伝える)、3)通報者の情報。

【ハチに刺された、ヘビに咬まれた】
危険な症状
:気持ち悪くなっている、赤いぶつぶつができる・赤みが増してくる、苦しがっている(気管が腫れていることを示している)。
・119番を呼ぶまたは医療機関に早く運ぶ。
・血液中に毒が入った状態なので、体内に回らないよう、安静第一に動かす。
・患部に印をつける、時間をメモする、きれいに洗って保護する。
※エピペンは処方された人しか使えない。(中身が異なるため。)

【骨折の疑い】
・痛みを軽減させることに努める。
・長い添え木をタオル等で縛って曲がらないようにする。

【脳卒中など頭の疑い】
症状:倒れて意識がない、吐くなど
・他に三つの症状を確認する。
1) しゃべり方(ろれつが回らないなど)、2)腕が片方上がらない、3)顔のゆがみ
・救急車をよび、特に首を動かさないよう安静にする。

【心臓の疑い】
症状:急に倒れて意識がない
・救急車を呼び、胸骨圧迫を開始する。

【止血】
・救急車を呼ぶ
・清潔なタオルで患部を圧迫止血し、その状態で救急車を待つ。血が大量の場合は、その上からタオルを追加していく。

【救急セット】
・セット内の医薬品などを使う場合は説明し、本人の判断を優先する。
・看護者の感染防止のため、手袋、ガーゼ、はさみは必須。

【その他】
・使い捨ての布やタンカがあると便利。
・AEDはレンタルもある。

<講義風景>


<実地訓練>

(更新日 : 2024年03月23日)