~水木沢天然林を体感する~
[森林観察学習部会]
2023.10.21
10月21日(土)8:00茅野市運動公園第1駐車場集合(18名の参加者)し、茅野観光バスで8:05茅野総合運動公園を出発。9:00木曽路「道の駅ならかわ」でトイレタイムの後、9:40木祖村 水木沢天然林 管理棟に到着した。(天気は晴れ)
現地ガイド(木祖村観光協会のガイド)圃中さん、岩垂さんの紹介挨拶の後、9名ずつ2班に分かれて、10:00に「原始の森コース」の見学を開始した。仲秋の森の中の道はトチノキやホオノキ、ブナ、ミズナラ、マルバカエデ、ムシカリ等の落ち葉で埋まり、展望台まで高低差約100mの登りをガイドの解説(参加者には一人づつイヤホーンマイクが配布されガイドから少し離れてもガイドの解説を聞くことができた)を聞きながらゆっくり上った。
スタート地点のヒノキの人工林と天然林との対比が興味深かった。天然林での樹齢300年程のヒノキ、サワラ、ネズコに加え広葉樹のブナ、ミズナラ、トチノキ等がバランスよく混交していて見事でした。圧巻は樹齢580年の大サワラでした。沢の急峻な崖によくぞ根を張り生き永らえているものだと思った。まだまだ今までの倍以上は生きていくだろう。ここから更に登り尾根に出て、展望台に出た。あいにく木曽駒ケ岳の頂上は雲の中であったが、展望台にはミズナラのドングリが一面に落ちていた。
展望台を後にして尾根筋を下り、途中、原始の森コースから外れた源頭の森コースの入り口のミズナラの大木に立ち寄った。少し老化が進み、樹冠が少し欠けていたので厳しい樹齢を重ねることになりそうだ。
其の後原始の森コースを下り、ネズコの大木やヒナウチワカエデを見ながらコース一周し、13:00管理棟に戻り昼食になった。(当初の予定を1時間オーバ)
後半は13:40「太古の森」コースにある、大ヒノキ(大きなヒノキにその根本に隣接して育ったサワラが巻きついて両方元気に生きている)を見学して14:30管理棟に戻った。沢筋に生育するヒナウチワカエデ等の黄葉が木漏れ日の中で輝き美しかった。ガイドさんにお礼を言い、14:40バスで帰路につき16:40茅野市運動公園に戻り、解散した。
茅野近傍の森では見られない針広混交林で、江戸時代から自然更新が行われて育ってきた森の佇まいは強く印象に残った。樹木の生命力を肌で感じることができたと思う。「水木沢天然林は森づくりのモデルコース」とガイドの解説があったが、尾張藩の「1木1首」の施策に加え、何度も伐採の危機を乗り越え、花崗岩の真砂で覆われ、味噌土化し強雨下では大規模な洪水に見舞われるこの沢を森林の力で必死に守ってきた人達の努力があってこその天然林であると思うと、今後も末永く大事にしていきたいと思う森であった。
<観察植物>
(更新日 : 2023年10月31日)