ガイド派遣事業(縄文どんぐりカフェ)7月

食べられる植物の観察と食べ方の議論

~棚畑遺跡の里山を歩いてみよう~ 

【森林観察学習部会】

2023.7.16
「縄文どんぐりカフェ」による「国宝土偶絵本プロジェクト」事業の一環として、縄文のビーナスが出土した棚畑遺跡の背後にある里山・市民の森の案内をした。この会は、尖り石縄文考古館 前館長の鵜飼さんが講師としてついてくださり、一緒に進行しました。
棚畑遺跡から発掘された数多くの住居跡や土器・土偶、更に黒曜石のルートなどから推測すると、この土地は縄文時代(中期)には人・物の流通、定住で非常に栄えた所であったろう。つまり吉田山は、その大集落の衣・食・住を支えた大事な里山ということになる。
気候も当時(5000年程前)は温暖で、植生も今とほとんど変わらないか、もっと豊かだったかもしれない。
今回は、縄文時代にも利用されたであろう植物(クリ、ナラ、ニワトコ等)の実際を見たり、メインテーマでもある縄文のビーナス作成にかかわる土や表面のキラキラの(バックデータはありませんが)謎解きをしながら森を歩いた。
蛇石川沢沿いの小径では川砂のキラキラを確認。そして一昨年の大雨で崩壊した斜面修復のために削った法面に現れた土層まで歩き、その土中にもキラキラがあることを確認。
帰りには木漏れ日広場で、市民の森の動植物や土偶のキラキラ(金雲母)の正体についてなどを解説。
鵜飼氏からは縄文時代の生活について、黒曜石流通について等のお話を伺った。

森林整備や動植物観察会以外の目的でこの森を案内することは珍しく、多くの人々に市民の森の存在を知っていただく良い機会になったのではと思う。
また、我々も縄文から続く歴史ある森と20年近く関われていることに感謝したい。

 

(更新日 : 2023年07月29日)