R03年度学習会 ~生物多様性への理解~ [森林観察学習部会]
2021.12.2 12.12
12月の学習項目は以下の通りでした。
〇12月2日
第9章 植物は光を求めて高くなる………矢崎
第10章 動物には前と後ろがある…………本村
〇12月16日
第11章 大きな欠陥がある人類の歩き方…定成
第12章 人類は平和な生き物………………池田
1月の学習予定
〇1月6日
第13章 減少する生物多様性………………矢崎
第14章 進化と進歩…………………………吉田
〇1月20日
第15章 遺伝のしくみ………………………黒田
第16章 花粉症はなぜ起きる………………井村e
11月からゆいわーく茅野で実施しています。
毎月このコーナーでは、学習した内容から、興味深い話題を抜粋して掲載していきます。
第9章 植物は光を求めて高くなる 矢崎恵子さん(会員)の資料より抜粋
Ⅰ 生きるためにはエネルギーが必要
★なぜエネルギーが必要か?
➀生物が散逸構造だから(4章、6章で解説)
〇非平衡なのに定常状態(流れがあるのに形が変化しない)
〇エネルギーを吸収し続けないと形を保つことができない
⓶生物が動くから
⇓
★生物は形を保ちながら動くため、常にエネルギーが必要
★エネルギー入手法は?
★ほとんどの生物は酸素呼吸でエネルギーを得ている
酸素呼吸:有機物を酸化して二酸化炭素を作るときにエネルギーが発生する。
酸化とは、酸素が結合して電子を奪う ⇔ 還元
⇓
酸素呼吸には有機物が必要!
★有機物はどのように作られるか?(光合成について)
植物は光合成により有機物を作ることができる。
動物は自分で有機物を作ることができない。
動物は他の生物を食べて有機物を手に入れる。
●光合成とは 6CO2+12H20→C6H12O6+6H2O+6O2
太陽エネルギーを使って二酸化炭素を還元して有機物を作り、余った酸素を捨てる(メタン菌などの例外あり)
★生物のほとんどのエネルギーは光合成によって賄われている
(光合成反応は植物細胞内の葉緑体で行われる)
Ⅱ 葉緑体の起源
葉緑体はシアノバクテリア(細菌)が緑藻(真核細胞)との細胞内共生により植物に取り込まれ進化したと推測されている。
★葉緑体の起源はシアノバクテリアか?
★葉緑体は単純にシアノバクテリアが真核細胞と共生したのではなく遺伝子がウイルスなどにより別の種に移動する水平進化が起きたのかもしれない。
→ 進化とはダイナミックな現象!
Ⅲ 高くなる植物
〇植物は最も背が高くなる生物
〇背の高い植物は被子植物ではなく裸子植物に多い
〇光合成は太陽光を使うので背が高い方が有利
〇光合成には根からの水が必要。
Ⅳ なぜ裸子植物は高くなれるか?
★なぜ水は樹木の中を高く上がることができる?
➀蒸散:植物中の水が葉から水蒸気として放出される。
②凝集力:水分子はプラスとマイナスの電気分布が偏っているのでひきつけ合い繋がる。→葉から水が蒸発すると水分子はお互い離れず引き上げられる。
★なぜ裸子植物の方が大きくなりやすい?
水の流れ:根~道管・仮道管~葉~大気
➀被子植物:道管→太い一本のパイプ→水を沢山運べるが気泡もできやすい→気泡ができると水柱を分断。
②裸子植物:仮道管→細く曲がりくねっていて水を運ぶ量は少ないが、気泡ができにくい→気泡ができても水の通りがいくつもある。
★仮道管は道管に比べて性能は劣るが安定性に優れているので裸子植物は高くなれるのでは。
★進化は進歩ではない。
出典:
〇※1、※2ウィキペディアより
〇※3 教本「美しい生物学講義」 より
(更新日 : 2022年01月01日)