11月7日 市民の森 秋の観察会

沢沿いを蛇行し歩く参加者

~森林の土砂災害抑制効果を考える~  

[森林観察学習部会]

2021.11.7

2019年総会時講演テーマ「森林の有する土砂災抑制効果について」のフィールドワーク版。
(コース:駐車場~沢沿いの小径~南コース崩壊斜面2か所)
森林の有する多面的機能の一つに「土砂流出防止機能」がありますが、昨今多発する土砂災害をみるにつけ、温暖化の進行とともにその効果も薄れてきているのではないかと感じてしまいます。講演会に於いて講師・平松教授も「森林は生き物、自ずと限界があり、決して万能ではない」と結論づけられました。
では、かつて災害が発生した市民の森と私たちは、これからどのように関わっていけばよいのでしょうか?先生と現地を歩き、教えていただきました。
市民の森には巨石が多く、蛇石川(沢沿いの小径の川の名)のように水の流れは多量の石を移動させ岸を削りつつ蛇行し、将来的に川幅が広がる。また、林道法面上部には巨石を抱く木が多く、倒木・法面崩壊の危険性が高い。
市民の森の地質は火成岩(深成岩・石英閃緑岩)で成り立っており非常に脆い。切り開かれた林道へは表流水が垂れ流し状態で大きな轍や法面の崩壊が起きやすい。当面の対応策としては、轍への砂利ひきや短い間隔での水切りラバーの設置等が必要。
間伐について、切り捨て間伐はせず間引く程度にし、脆弱な地質なので多大な振動を与えない。林道への間伐材放置はしない。そして我々は今後もこの森に興味を持って関わっていく事(変化に気づく)が大事とのアドバイスをいただいた。

(更新日 : 2021年11月29日)