森林文化学習会 6月

~生物多様性への理解~    [森林観察学習部会]

2021.6.3 6.17

6月の学習項目は以下の通りでした。
〇6月3日
第2章 デザインされた物と「デザイノイド」(デザインされたように見える)物
(前半)…………………………南波
(後半)…………………………井村e
〇6月17日
第3章 「不可能な山」に登る
(前半)…………………………池田
(後半)…………………………吉田n

7月の学習予定
〇7月1日
第4章 紫外線の庭
(前半)…………………………中野
(後半)…………………………井村j
〇7月15日
第5章 「目的」の創造
(前半)…………………………本村
(後半)…………………………吉江
毎月このコーナーでは、学習した内容から、興味深い話題を抜粋して掲載していきます。

第3章 「不可能な山」に登る(後半)        吉田直美(会員)さんの資料より抜粋

眼の進化は、急速に、何度も起こった。
~どうやってレンズが進化してきたのか。~
実験(テキスト図3-25~図3-28)で見てみる。
まず初めに目のない状態、一枚のシートを持った祖先からスタートし厚さの違うレンズを差し替えていく。

まだレンズではないが、眼を保護することができる。

より明るくはっきりとしたイメージになる。

どこに敵がいるか、はっきりと確認することができる上、逆さまでだが敵の顔を識別することさえできる。

レンズはゆっくりと進化
眼がない状態 → 眼の完成 へと進化した。

 ~十分な進化の時間はあったのでしょうか。~
スウェーデンの科学者ダン・ニールソンのコンピュータ実験(テキスト図3-29~図3-33)で検証。
意図的に眼の進化の歩幅(それぞれの突然変異)を1%(控えめ設定)の変化しかもたらさないように設定。
眼のあらゆる部分をコンピュータに測定させ、物理の法則を使って、その眼がどれくらいはっきりした像を結ぶことができるかを割り出す。
結果:たった二十五万世代(地質学上の時間のスケールでは、ほぼ無きに等しいくらい小さい。)
地質学的な時間スケールからいえば、進化の時間は十分あった。

何度も何度も繰り返し起こったに違いない
眼の進化は短時間に容易に起こりうるので、おそらく何度も何度も繰り返し起こったに違いない。
実際に周りの動物に目を向けると、たくさんの種類の眼が存在する。これらは一つ一つ異なり、その多くはまるで異なる原則に則って機能しており、それぞれ全く独自に進化し、この進化は繰り返し起こった。
このように眼の進化はたやすく起こることから、たくさんのさまざまな眼をもった生きものが存在するにいたった
事例1 ホタテ貝の眼 たくさんの反射鏡型の眼
(レンズの代わりに鏡が入っている)
一つ一つお椀のように曲がった鏡になっていて、反射型望遠鏡のように像を結ぶ。
事例2 昆虫の眼 複眼
一つ一つの個眼はそれぞれが小さな眼になっていて、複眼全体で一つの像を結ぶよう脳の中で解釈されている。

昆虫の眼 複眼
昆虫の眼 複眼

事例3 クモの眼 独自に進化
複数の目を持つ

クモの眼 複数の目
クモの眼 複数の目

事例4 イカの眼
レンズが入っていて、カメラの機能も備わっているが、人間の眼とは全く別に進化した。
たまたま私たちの目と同じような原理が、独自に進化した。

進化のそれぞれのステップは、ランダムに起こる微々たる幸運に過ぎず、重要なポイントは、「不可能な山」を何の奇跡も必要とせずに登るところ。
進化とは1ステップでできるような奇跡ではなく、長い時間の中の幸運の積み重ねである。

 ※不可能な山:進化を考えるための模型の山。頂上付近はよくデザインされたものと同じ状態、麓は環境にうまく適応していない状態を意味しており、崖の下から頂上に一足飛びすることは不可能だが、長い時間小さな一つ一つの歩みを重ねていけば登ることが可能になる、という進化の道のりを示すために用いられた。

(更新日 : 2021年06月29日)