2020.11.4
ウバユリ(姥百合):ユリ科 ウバユリ属 多年草
冬枯れの市民の森に写真のような果実を付けた1m程の茎が凛と立っています。果実は3室に分かれ、1室には2列に平らなタネが座布団を重ねるように行儀よく重なっています。
果実は3つに割れてきますが、割れ目の両側に櫛状の繊維が張られ、タネが横から毀れないようにガードされていて、風が吹いたり、茎に触ったりしたときに、果実の上部から薄いタネが舞い上がり、紙吹雪のように飛んでいきます。想像するに、ウバユリは、少しずつ時期をずらしてタネを撒く危険分散を考えているのではないだろうか。
一方、市民の森でウバユリの実生の葉は沢山見かけますが、花を咲かせた株は数えるほどしか見かけません。実生が花をつけるには6から8年かかると言われていますが、それにしても花を付けた株の数が少ない。シカなどの食料となっているのではないだろうか。「動物食害に対応する進化を考えないと絶滅しちゃいますよ」と言ってあげたくなります。
(更新日 : 2020年11月29日)