今、市民の森では!12月

2019.12.26

★今、市民の森は冬休みなので、今年出会った動植物を中心に、それにまつわる話を掲載します。
今回は、カマツカ(鎌柄) バラ科 カマツカ属 落葉小高木

今年、炭焼き小屋のすぐ脇の茂みに、カマツカを見つけました。カマツカは、昔から、石屋さんの「げんのう」の柄に使われてきたそうです。それは、石を割った時に“しなり”、手に直接衝撃がこないようにクッションがあり、かつ折れることのない丈夫な木だからだそうです。
我々の先人は長い経験の末に、それぞれの木の特性を見つけて、有効に利用してきました。

こけら割り(屋根ふき用の薄板を割る)の職人さんが使う槌はイタヤカエデ、大工さんが使う鉋の台はカシ、船をこぐ櫓もカシ、これは固くて丈夫だから。鋸の柄には桐、これは長い間使っても熱を持たないから。風呂桶には水に強い、ヒノキ、ヒバ、船はスギ、寺の塔や銅はヒノキ、爪楊枝はクロモジ、工事に使う杭や土台は松などなど。これら木の使い方は、日本書紀にも記載されていたそうです。
私たちは、自然から遠ざかり、進歩したのでしょうかね。
 参考:「木の教え」塩野米松著

(更新日 : 2020年01月05日)